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パンタナールを人類救済の永遠の聖地にするために何をするべきか

Updated: Jul 23

(発信者より:本年3月、ジャルジンは20年ぶりに使用可能となり、ナビレケ聖地も一定の法的解決をみているようです。その基台の上で、去る7月7日~9日に真のお母様をジャルジンへお迎えして、神南米摂理出帆式が行われ、南米摂理が本格的に再び始動いたしました。このような中、天一国世界ビジョン実現に向かう私たちの主体的で現実的な責任完遂がますます摂理成就の鍵となっています。以下の記事は昨年書かれたものですが、パンタナールで何を私たちがするべきなのかを問う、重要な内容となっています。)


*************


 2024月1月24日 佐藤ジョン


初めに:真のご父母様が大切にされたパンタナールのナビレケ聖地は、現在、訴訟問題などをはじめ、深い問題を抱えて困難な状況にあります。私は過去も現在も胸をはって食口の一員と言える立場ではないのですが、現状を悔しく感じる一人であることは間違いありません。聖地の現状に心を痛める世界の食口たちが同じ目的をもって行動すればどのように現状を変えていけるのか、私なりに考えた内容をまとめました。(注:これはあくまでも私個人の考察であり、組織的戦略ではありません。)



【ナビレケ聖地の背景と現状】


パンタナールにはサロブラ、ナビレケ、レダ(部分的にパンタナール)という、御父母様が購入された広大な土地があります。ジャルジンやカサドを含めれば、さらに巨大な土地です。特に、ホテル・アメリカーノの支店があるナビレケ聖地は、真のお父様が「聖地の中の聖地」と言われ、「天国に向かうことができる出発の起源地(302-250,1999.6.14)」とも言われた重要な場所です。1999年5月14日にサタンの自然屈服を通して真の父母が神様の解放を行った「天宙解放式」の後、7月27日に「源焦聖地、根源聖地、勝利聖地」として奉献式が成されました。その数日後の8月1日にはホテル・アメリカーノに日本国家メシアたちを招集され、具体的な理想社会の建設のために「レダ・プロジェクト」がパンタナールで開始されました。「レダ・プロジェクト」の理想は、真のお父様が「レバレント・ムーンの最後の生涯の結実を結ぶ所がパラグアイ(1999年9月23日、フエルテ・オリンポにて)」だと言われた所以です。また、「聖地を守り、聖地の名をより高めることは、日本が国家的にしなければなりません(304-110, 1999.9.10)」とも言われたので、聖地の復興と維持は、日本が責任を持たなければいけないと思います。


しかし、2021年にはナビレケ聖地のホテルと真の御父母様の家は火で消失し、それ以来、草木が生い茂り、水路には水草が充満し、現状は誰も入れない状態が2年間ほど続いてきました。また、長年の間、法的にも訴訟に巻き込まれていて手が出せない状況だと聞いています。


お父様は私たちに「四年に一度はパンタナール聖地巡礼をしなさい」と言われました。私は2021年末に、10年ぶりにナビレケのホテル・アメリカーノを訪問しましたが、水路は2019年以来水位が低いため水草でふさがれていました。そのため、数キロ下流の場所でボートを降りて、1時間ほど草木の中を歩いてホテルに到達しました。その時、草木の中を歩けたのは、その一帯が焼け野原になっていたからです。通常はジャガー、毒蛇、蜂、ワニなどがいるので、その中を歩くのは命を失う可能性があることです。


2022年の終わりに再度ナビレケに行こうと試みましたが、その時は水路は水草に覆われていただけではなく、草木が生い茂り、歩いていくこともできない状況でした。パンタナールでは、草木がものすごい勢いで生い茂ります。そのため、数キロ離れた場所までしか、聖地に近づくことができませんでした。


現在の複雑な状況で、どのようにすれば私たちはナビレケ聖地復興を計画できるのでしょうか?


【ナビレケ聖地でなにを目指すのか】


ところで、「計画」を考える前に、まず「目標」を明確にしたいと思います。


私たちの目標は、ホテルの再建だけで終わることではありません。パンタナールではいくら道を造っても、使用し手入れをしなければ草木が生え、すぐに通れなくなります。家もすぐに草木に覆われて使えなくなります。建造物の周りの草木を切らなければ、林の火事で一時で全てを失います。私たちが目指すのは、一時の建築物再建や管理ではなく「聖地が人類に永遠に讃えられ繁栄すること」です。そのため、私たちがナビレケ聖地でするべきことは数年で終わるような作業ではないし、お金があればできることでもありません。


そのような「世代を超える持続性」を実現できるような目処が付かなければ、ホテルを再建することは盲目的にいままでの失敗を繰り返し、お金と時間を無駄にするだけになります。


真の父母経十篇二章四節では「真の父母の偉大さが永遠に残る」ために何をしなければならないかを、次のように話されています:

「もし世界の難民たちに、私たちが魚粉を供給して、食糧問題を解決できるようになったとすれば、多くの人々が統一教会員になります。そのようなことをしておけば、真の父母の偉大さは、地が消え去り、天が崩れ去っても永遠に残るというのです。それにより、統一教会の子孫たちが、どれほど堂々と神様のみ前に賛美をお返しできるだろうかと考えています。そして、世界の人々がジャルジンを訪れ、魚を養殖し、人類を生かすために苦労したその功績を基盤を中心として、賛美するようになるでしょう。(277-143, 1996/04/07)」

永遠に讃えられる聖地になるためには、永遠に人類のためにならなくてはいけません。そのためには、全人類を、真の父母の歴史的縦的霊的勝利に連結し、その聖地を中心として人類の食糧問題や他の問題を解決し、世界人類が飢えない食糧と正しい生き方の「源」となり、世界平和に向けて霊界と肉界が連動する「焦点」となって行かなくてはなりません。そのためにも、「ジャルジン」「レダ」「182の拠点」「ウルグアイ」「ボート製造」など、食糧問題に関係する摂理も同時に復興させ勝利させていかなければなりません。誰よりも全世界のために生きる団体を造っていかなければなりません。


ナビレケ聖地を中心に、このような全ての摂理が完成されるように導いていかなければならないです。そうしなければ、ナビレケ聖地を「永遠に讃えられる聖地」として保障することができません。一時的な成功は私たちには意味がありません。


【三つの並列的問題】


現状は複雑な状況ですが、やるべきことはある程度明確です。「目標」があり、真のお父様が指示して下さった「計画」があり、その中で解決するべき現状の「問題」があります。ナビレケに関しては並行的に解決しなければならない三つの大きな問題があります。それは(1)土地の法的問題、(2)主人意識を持った人材の不在、そして(3)各摂理グループが共通する長期目標と計画を失い連携していない、ということです。


問題1:土地の法的問題


今まで、ブラジルやパラグアイの土地の多くは訴訟に巻き込まれてしまっていました。法的問題が解決しなければ、ナビレケの聖地の復興どころか、草木を刈ることすらできません。法的問題が関わっている限り、どんなにお金があったとしてもホテル・アメリカーノを建て直すこともできません。これは家庭連合と法的問題に責任を持っている指導者たちが整理しなければいけないことです。


南米では真の御父母様が膨大な投資をされました。サッカーチームを購入されたり、約70万ヘクタール(世界約200か国のうち、約35か国は70万ヘクタール以下の国土面積)の土地をパラグアイで購入されたりしました。ブラジルの土地に関しては詳しくありませんが、ナビレケ、ポルト・モルチーニョ、サロブラ、ジャルジンの他にも多くの土地を購入されたようです。しかし、現状では多くの訴訟に巻き込まれているそうです。


なぜ、このような状況になったのでしょうか。南米の現地文化の問題でしょうか。指導者が管理を間違ったのでしょうか。食口たちが信仰がなかったからでしょうか。それとも、組織文化の問題でしょうか。一つはっきりしている問題は、このような多大な投資や資産をうまく運営する能力を持つ人材がいなかったし、現在も人材不在が大きな問題だということです。また一つ大きな問題は、分裂です。私たちは父母の悲しみを顧みず、私たちは失敗を他のせいにし、批判をお互いにし、分裂しつづけてきました。共通の目的を見出し、統一することは難しいものですが、いつかは世界平和と統一をなすために「すべてを飲み込むパンタナール精神」を実践できるようにならなくてはいけません。


法的問題の解決は、法的プロセスの終了を目指すだけではなく、問題の根本原因を確かめて根本的な対策を行うことが大切です。しかし残念ながら、ナビレケの土地に関してはブラジルの家庭連合の法的問題であり、私たちは直接的に手を出すことができません。少なくともできることは、家庭連合に寄り添い、この問題をなんとか解決する方法を模索して助けていくことのみです。


問題2:主人意識を持った人材の不在


どんなにお金があったとしても、人材がいなくては全て無駄になります。実際にそのように失敗を繰り返してきました。私たちが目指すのは一時の聖地復興ではなく、永遠に持続する聖地です。ホテルを再建したとしても、果たして、そこを運営していくだけの持続的経済と人材が用意できるでしょうか?


*主人が育っていない現状


実際に、真の御父母様は多くの投資を南米にされ、私たち食口に多くの使命を与えてくださいましたが、南米に配置されていた宣教師、国家メシアなどは、高齢化などの理由で自国に帰っていく状況にあります。また、パンタナール関連の摂理使命感を持った若い人たちが十分に育っていません。なぜ、代表的な教会の先輩方が南米の国家メシアに使命され、沢山の食口たちが1995年から世界から派遣されてきたはずなのに、広大な土地運営や事業はうまく行かず、祝福家庭たちは定着することがなく現在の状況となっているのでしょうか。


最大の判断権を持つ韓国の指導者たちは、基本的に長期的に責任が持続しません。彼らはやはり人間であり、どんなに頑張っても能力的にも時間にも限界があります。彼らは悪気はないとは思いますが、自然に短期目標を優先する傾向があり、現地の長期目標を犠牲にしてしまう傾向があるのではないかと思います。現地の食口たちは長期目標に責任を持たなければいけないのですから、短期目標を優先する傾向が強すぎるこのような環境で主人意識が育つことは難しいことです。


また、教会内では伝統的な宗教活動(伝道・献金)を重視する傾向から、自然に農場の運営や事業は見下されてしまう傾向があります。腐敗や賄賂などが多い南米で外国人が事業をすることは難しい上に、農場や造船業など、基本的に外的や横的と見なされる活動は「重要ではない」という意識になりがちです。また、それを見ている二世たちも、長期的摂理の重要性を感じることができず、伝道や献金以外の南米摂理の概念が薄れてきます。


*各摂理や使命の真の主人となる家庭の定着


各現地の長期摂理で必要とするのは、摂理使命感を持った祝福家庭たちの「恒久的定着」です。例えば、海洋摂理は一時の摂理ではなく、永遠に人類を食べさせていく摂理です。また、ナビレケ聖地の場合は一時ではなく、この聖地を代々永遠に守っていく家庭が定着しなくてはいけません。そのためには、その家庭が主人として持続できる安定した環境がなくてはいけません。指導者の一声で何時どこに責任を変えられるか分からない流動性が高すぎる組織では主人意識は育つことは難しいのです。組織の一従業員ではなく、各摂理・各使命の主人たちが必要なのです。


「この場所と使命は私が主人であり子孫に受け継ぐことができる」という意識と、ある程度の保障がなくては主人意識を持ち、その責任に真剣に「一生懸命」に投入できるでしょうか。どんなに組織の指導者や方針が変わろうとも、批判を受けようとも、「これは私たちが必ず成就させる」という強い意思さえあれば持続できる独自の経済基盤が必要です。その家庭が主人として管理できる経済基盤がなくてはなりません。ジャルジンのニューホープ牧場やナビレケは携帯も繋がらない僻地です。真のお父様が指示されたパラグアイ川とアマゾン川周辺の182カ所の場所も、ほぼ全てが何のインフラもない場所です。そのような所に家族で住むには、必ず持続できる「自立経済基盤」が必要です。


私を含め、既に南米に定着してパンタナールに関連している食口たちは少数ですが現存します。私たちがここで何ができるでしょうか。まず、人材が必要です。それも、ボランティアではなく、南米で続けていける人たちが必要です。そのための第一歩として、食口たちが摂理を知り摂理の使命感を持てるように、ナビレケやパンタナールの摂理の宣伝者の役割をしなくてはいけません。家庭連合の指導者たちと良く協力し合い、摂理の重要性を語り続ける必要があります。また、摂理使命感がある家庭を探し出し、パンタナールに定着できるように支援をしなくてはいけません。時には投資をし、時にはビザなどの現地プロセスを行い、起業の手伝いをしていきます。


そして祝福家庭の経済基盤のネットワークを少しづつ造っていきます。中心的になるべきは真のお父様が幾度も語られたパンタナールの「観光事業」です。観光事業の確立により、持続する経済基盤をパンタナールで造成できるだけではなく、世界の食口たちに聖地巡礼を勧めて、さらに摂理の重要性を訴えていくことができます。このように一家庭づつ、摂理の最終目的を共有しながらも独立した主人体制をもてるように、パンタナールに定着させていきます。


*まず、ナビレケ聖地の近くに代表家庭を定着させる


再度申しますが、私たちが目指すのは「聖地が人類に永遠に讃えられ繁栄すること」です。そのような世代を超える持続性を実現できるような目処が付かなければ、ホテルを再建することは盲目的に失敗を繰り返し、お金と時間を無駄にするだけになります。


人材を、世代を超えて持続的に定着させることができない限り、勝利することはあり得ません。誰かが、この場所を管理して行かなければいけません。そのために、真の父母様に永遠に忠誠を持つことをできる家庭を探し出し、その家庭を世代を通して定着させることが、ナビレケ聖地の永遠なる管理に繋がります。


その代表的家庭が、ピーター・パウロ・アルベス・ピンニェイロ氏の家庭だと私は個人的に思っています。そのために、彼の家族にはパンタナールの観光事業という経済基盤を造ることに、私は支援しようと考えています。彼はナビレケ聖地の証をできる第一人者であり、長年の忠誠を見せてきた人物であるからです。彼と奥さんのマルシアさんには4名の子供がいます。(Miohana Mi Jong 24歳女、Mi Sang 22歳女、Mi Kiong 22歳女、Leonam Yon Nam 20歳男)全ての名前はお父様に名付けてもらったそうです。その全ての子供たちが、現在は観光関係の仕事をしています。真のお父様の念願のパンタナールの観光を行うために導かれているのだと思います。


ナビレケ聖地復興のための人材の視点では、この家庭をまずパンタナールに定着させるのが優先事項だと考えています。


問題3:各摂理グループが共通する長期目標と計画を失い連携していない


私は父が築いてきたボート事業をパラグアイで10年間責任を持ってきましたが、ボート事業を開始し持続させるのに手一杯で、現地教会やレダなどと連携することはほぼありませんでした。教会に寄付をしたり、お互いのイベントに参加しあうくらいでした。ジャルジンとレダも、まったく連携してきていませんでした。


本来ならば、世界各地にある全ての摂理は長期目標を共有しており、国境を超えて連携していかなければならないことです。しかし、個々の問題の対処に追われ、時には短期目標のレベルで対立し、最終的目標と計画を見失ってしまっていることがあります。


*幾重にも共通する長期目標


例えば、日本国内では「日本家庭連合」と「海洋平和」が対立してきましたが、理由はどうあれ、対立することは全体摂理の致命的な後退であったとしか見えません。主に対立した発端は、日本教会の短期目標である「献金集め」と海洋平和の短期目標である「投資集め」でした。そこから「分派」問題となり、対立は発展していきました。短期目標で見ると対立的になるように見えますが、長期的目標では家庭連合と海洋平和の目標は幾重にも一致します。


本来ならば、海洋平和は家庭連合と連携し、日本に真のお父様のボートを導入し、食口たちを海洋訓練し、海洋摂理を進めることにより、日本が海洋国家になれるように導くはずでした。原理講論で言われているように、人類文明歴史は最終的には環太平洋時代に変遷し、この時代では米・日・韓が主役となって大平洋の膨大な資源を主管し、世界のために使用することにより「神文明開闢時代」を開くことができるはずだからです。特に、母の国である日本は、大平洋の資源を使い、世界の子供たちを食べさせていく使命があるのです。


また、真のお父様は麗水で2004年から2012年の間に7300名の日本女性たちを海洋訓練される中、こう言われました:

「今、麗水と順天で、日本の女性食口たちに対して、海洋圏を愛する最高の訓練を始めました。そこに参加する人々は日本の女性食口たちであり、それがエバ国家の解放に最も近い道であることを忘れてはいけません。(493-289, 2005/04/26)」

上記の「エバ国家の解放」とはエバ国家の責務の完了のことを意味します。つまり、海洋訓練は、日本がエバ国家としての責務を完了するための「最も近い道」です。日本は母として、世界の貧しい人々たちを食べさせていく責務を、海洋摂理を通して行えるということです。


日本では教会は迫害されてきたのですが、もし日本食口たちが海洋摂理を行い、世界各地の食糧問題を解決する活動を行っていけば、各国で認められ迫害されることも無くなるはずです。お父様はこのように言われました:

「私たちが海洋産業で一流会社となり、世界に奉仕していく時には、全世界の国々が私たちを援護するようになるのです。」(1994年8月1日、米国海洋摂理20周年記念のみ言葉 ベルベディア)

また、真のお父様は従来の伝道では世界復帰に数千年もかかると言われ、海洋摂理の方法であれば、お父様が霊界に行かれる前に世界復帰が成されると期待されておられました。(1994年8月1日、米国海洋摂理20周年記念のみ言葉の要約 ベルベディア)


つまり、日本の家庭連合と海洋平和は何重にも長期目標を共有しているにも関わらず、目の前の小さな短期目標の対立でつまずいてきて、神の願い、御父母様の願いの成就を遅らせてきたという事です。


*南米の各摂理の共通目標と機能


より大きな視点で見てみると、全ての摂理組織は同一の目標を共有しています。


本来ならば、各摂理グループの長期的目標は同一であり、それは世界平和です。だから全ての組織が「平和」を名前に掲げています。真のお父様は自叙伝の第一章で、「世界平和」を3つの分野に分けて定義されています。それは「宗教の統一」、「国家・人種間の争いの終結」、そして「貧富の差の解消」です。そのどれが抜けても世界平和に到達することができません。全ての摂理はこの三つのどれかに属し、「世界平和」という長期的目標を共有しています。


南米に存在する摂理はどうでしょうか。例えば、「ボート製造」「レダ」「ジャルジン」「182カ所の拠点」「ウルグアイ」の摂理の全てが「世界の食糧問題解決(貧富の差の解消)」というという長期的目標を共有し「食糧生産・食糧分配・生産技術教育」の機能を持つことで共通しています。この全ての摂理が連携していないのは、実は不自然です。


どうやってこの複数の摂理機関が共通目的のために機能するのでしょうか?それはみ言葉と真のお父様の投資の歩みを追えば明確です。簡略化して説明するならば、「ジャルジン」はパンタナールに定着できる祝福家庭を縦的横的(特に農業や釣りなどの横的訓練を真のお父様は強調された)に教育し、「レダ」は人類のために農業と養殖で食糧を生産加工すると同時に人を教育する理想社会を造成し、「182カ所の拠点」はアマゾンとパンタナールで魚を集め、パンタナールとウルグアイ(大西洋)を連結し、ウルグアイではクリル漁船で食糧確保します。また、み言葉によるとレダ・ジャルジン・ウルグアイではフィッシュ・パウダー加工工場を運営し、世界に発送できる食糧を生産する計画でした。ウルグアイのプンタデルエステで造船所をお父様は購入されましたが、小さな造船事業から大型漁船と世界運輸事業に拡大し、世界に食糧を届けられるようにする計画がありました。このように、南米で真のお父様は「食糧生産・食糧分配・教育」のシステムを造る計画が明確にありました。


再度申しますが、ナビレケ聖地を永遠の聖地になるように保障するには、世界の食糧問題を解決できる中心地としていかなくてはなりません。そのためには、このような多くの摂理も、同時並行的に成功させていかなくてはいけないのです。一つが成功してもどうしようもありません。例えば、レダが食糧生産に成功したとしても、アフリカなど食糧危機に陥っている現場に食糧を届ける方法が無ければ、目標を達したことにならないのです。同じように、ボート事業がいかに成功しようとも、それが青少年教育と食糧分配のために使用されなければ、真のお父様が描かれた理想には達することができないのです。


*聖地を中心に全てを連合に導く


残念ながら、各摂理の連携の重要性を幾人か理解していたとしても、どうにもなりません。分裂のほうが統一よりも容易く、現在は家庭連合でも社会でも協力よりも分裂が普通になってきている文化があるからです。連携しなくては、摂理が成せないどころか、全てが腐敗していくのみです。


ただ、ナビレケ聖地が全てを連結する中心地であることは間違いありません。真のお父様はこう言われました:

「サロブラとパンタナール、その次にジャルジンは、これから世界的な観光の名勝地になるでしょう。霊界と肉界が連合できる内容を、ここで宣布しました。水陸、水と地が連結される所です。水陸が連結され得るすべてのものを決定していくのです。(293-272, 1998/06/02)」

ここが、霊界(縦・内)と肉界(横・外)、そして地(陸の摂理)と水(海の摂理)、全てを連合・連結していく場所だということです。


幸いにも、南米にある多くの摂理は「一つの摂理」であると理解して下さる韓国人指導者たちもいます。金南米大陸会長もその貴重な一人です。ただ、韓国人指導者はあくまでも数年しか現場にいない立場なので、多くの期待することができないのが現実です。


私たちが南米でするべきなのは、真の御父母様に忠誠心のある南米の食口たちを探し、どうにか海洋摂理を知らせていきたいと思っています。そして、その後には摂理のために定着できるように、彼らの起業を支援するべきだと思っています。そのような横的連結を一つ一つ造っていくことが、後に大きな基盤になり長期的継続性となると考えています。


食口たちを連結するためには、「縦的なきっかけ」と「横的なきっかけ」を用意します。縦的なきっかけはナビレケ聖地(とサロブラ)での真の父母の縦的功績であり、横的なきっかけは具体的に世界のために生きる方法である食糧問題解決のための事業となります。個人・家庭の独立基盤が、必ず大きな組織の基盤となっていきます。


【個人や家庭で聖地復興のために支援する方法】


上記のように、各組織が共通する長期目的のために連携していかなくては、ナビレケ聖地を子々孫々で守っていくことはできません。しかし、過去のしがらみを超えるのは難しいものです。


組織に直接的に属していなくても、個人や各家庭のレベルで、「ナビレケ聖地復興」のための貢献はできると思います。もちろん、まず第一は聖地の大切さを勉強し理解することです。長期目的を知り同参すれば、この場所を自己満足や個人の短期目的のために使うようにはならないはずです。


もし個人や家庭単位で貢献したいと考える方がおられる場合は、以下を私は推奨します。


支援方法1:南米に祝福家庭を定着させる支援


まず長期的に必ず重要なのは「祝福家庭をパンタナール・南米に定着させる」ための支援を優先することです。例えば、レダでは私が知る限り、3つの二世家庭が定着を試みています。滝川さん、川久保さん、島田さんの三家庭です。彼らは自らの外的将来を犠牲にしてレダにいますが、収入があまりにも少ないためにこれからも想像を超える苦労をすると思います。レダの訴訟問題も、彼らには多くの心労を与えていると思われます。また、アスンシオンでボート工場を運営するアクアムンド社にも成瀬さん、井上さんという二世家庭たちが定着しようとしています。大分県から来た山坂さん姉妹たちは、南米に一千軒の日本食堂を造ろうとがんばっています。


祝福家庭たちが南米に定着することを支援することは、彼らがあきらめない限り、間接的にではありますが、ナビレケ聖地の復興を確実に支援することです。


南米に居なくても、このような家庭たちを個人的に支援していくことができるはずです。まずは個人的に関係を持ち、時には献金し、技術やアイデアを提供し、声援を送ることができます。


支援方法2:自ら南米に定着する


摂理の最大の問題は相続者の不在です。多くの摂理の最大の問題は相続者あるいは主人の不在だった、という事が言えると思います。もし、ナビレケ聖地を中心として同じ長期的目的を持つ祝福家庭たちが、自らの意思で南米の摂理を助けようと南米に移住することができたら、どんなに素晴らしいことでしょうか。真の父母様が決められた182か所の川沿いの基地造成は、少なくとも182家庭の定着が必要です。


南米の地に独自の基盤を造り、ナビレケの聖地復興を夢見て長期的に協力しあっていくことができるのではないでしょうか。


もちろん、まずはブラジルやパラグアイで独自で言葉をしゃべり、自分たちで生活できるようにならなくてはいけません。慣れるためには数年かかるかもしれませんが、移住とはそういうものです。そうやって、一家庭づつ、目標を一つにする独立した家庭が連合となり、南米で摂理を行えるネットワークを広げていけるはずです。


【最終目的を必ず達成する方法の模索】


以上が「ナビレケ聖地の復興」において、私たちがするべきことだと思われる内容です。


「ナビレケ聖地の復興」に関しては、以上で説明した通り、大きな資金と人材が必要であり、特に十分な数の人材を定着させるためには長い期間が必要となると思います。


通常、「聖地」とは何らか偉業やそれを成した人物や神仏を讃える場所のことです。真の御父母様が制定された「聖地の中の聖地」とは、神様と人類が全歴史で追い求めてきた霊肉(縦横)の両面での「世界平和」という偉業が成された場所となるべきです。


世界平和に不可欠である海洋摂理は現在世界で飢えている八億人以上の人口を食べさせていく摂理であり、短期的に完結する計画ではないので、世代を通す覚悟で行わなければいけません。世代を通しても、絶対に成すという決意がなければいけません。


今、私は個人的にウガンダの孤児院にお金を送っていますが、そこでは一日に約一ドルで一人の子供を食べさすことができます。それを参考に概算すると、世界の食糧問題を解決するためには、毎日八億ドルの資金を生み出す経済基盤が必要です。しかし、それ以外に、少なくとも(1)世界各地で食糧生産、あるいは余剰食糧を確保する体制、(2)世界各地に毛細血管のように食糧を分配することができる物流体制、(3)貧しい人々を技術育成し自立させていく教育体制、を世界ネットワークとして確立しなければなりません。食糧以外にも、水や医療など、その他の支援も同時に必要となります。これは人類が避けることができない、必ず達成しなければならない、「飢えが無い世界を造る」と言う大きな課題です。


おのずと出る結論は、私たちは小さい短期目標で対立・分裂しているひまはなく、家庭連合はもちろん、他の宗教や公的組織や企業とも連携を取らなくては、海洋摂理の理想は現実化できないという事です。そして、そのような体制が一世代ではなく、恒久的に持続するように、その中核的組織を祝福家庭の子孫たちが真の父母に絶対なる忠誠を持って使命を継承していくようにしなくてはいけません。ただ、統一というプロセスも、青少年たちを教育するのも、時間が必要なのも事実です。統一や理解は強要できないからです。


いままで「時間がかかった」という事にどれだけ真の父母様が悔しい思いをされたかとは思います。しかし、「早く行う方法」を考えながらも、「世代を重ねても目標を絶対に見失わないで、確実に最終目標に到達する方法」を模索することを優先しながら進んでいかなければいけません。


(了)


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